Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

【2020年版】サイケデリックトランス・ゴアトランスアルバム10選!

はいどうもPsykeです。2020年は妙に早かったような…家にずっといたからですかね。でもその分例年より多くの音源に触れられたのも事実です。2020年はアルバム324枚、コンピ126枚を聴きました*1。その中から気に入ったものを厳選して記事にまとめました。

では参りましょう!

 

10.KaliYuga - Plantas Sagradas

KaliYugaはAnarkickとBreskの二人によるユニットで、深層系ダークサイケ・フォレストサイケを作ってくれます。いくつか好きな曲があったのですが寡作だったので、初のアルバムが出ると聞いたときは嬉しかったですね。得意な空間的な深さの演出はもちろんのこと、ElectryxeedやLoomなどのフォレストサイケの名手たちとコラボも果たしており、申し分のないラインアップでした。

 

9.ETN - Extinctive

ETNはZenon Recordsでは珍しいイスラエル出身のアーティストで、パリで活動しています。Zenonはテクノ寄りの無機質な作風のアーティストが多いですが、Pspiralife、Smilk、Klipsunなど、テクノやミニマルに軸足を置きながらも有機的なサウンドを模索するアーティストもいます。ETNも有機的な表現を模索しているアーティストのように思えますし、Extinctiveも無機性の中で有機性を構築しようとする試みだと思います。現代技術による高音質な有機性をぜひご賞味あれ。

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8.Transponder - Hyperion Gate

Synphaera RecordsのサブレーベルExosphereからのリリースです。レーベルの特徴でもありますが、圧倒的な空間深度が魅力です。ファーストトラックであるTerminaeで一気に引き込まれましたね。この曲で個人的に一番刺さったのは2:30過ぎで一度曲を断ち切ってから再始動する箇所で、トランスファン的には許し難い展開なのですが、これはなぜかとても聴いていて気持ちよかったです。他の曲もいい空間深度と適度なメロディー性があり、買うならアルバムで買わなきゃダメという説得力があります。

 

7.Tropical Bleyage - 4 You

Tropical Bleyageはシングル「Nine」など美しいミドル系サイケを作っている印象があったので、これは期待していた作品でした。案の定、適度なメロディー性とフルオン的な速度感のある充実したアルバムが出来上がっていた印象です。Tropical Bleyageの特徴でもありますが、音が整っていてクリーンな雰囲気を醸し出していますね。

 

6.Flowjob - Beatpolar

Flowjobは優しいメロディックプログレッシブサイケを作ってくれるアーティストです。先行してリリースされていたPenumbraはFlowjobらしさも炸裂していながらミドル系ならではのメランコリーも内包している素晴らしい作品で、それに似た優しい雰囲気がアルバム全体に浸透しています。2020年は色んな大変なことがあった一年だったので、Flowjobのこのアルバムのような優しい作品は有り難かったです。

 

5.Corkscrewed - Submarination

フィンランドのレーベルAntiscarp Recordsからのリリース。最近のサイケでは、曲の途中にブレイクを設けますが、Corkscrewedのこのアルバムは、キックや低音を終始止めないのが特徴的です。似た作風のアーティストはBeat Bizarreなど他にも数多くいますが、そうなってくると通常はテクノと区別がつかなくなってきます。しかしSubmarinationを聴くとやはりテクノとは違う有機があり、また面白いサイケが出てきたなーという印象を受けました。

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4.VA - Gamma Draconis

オールドスクールゴアからネオゴアまで幅広く扱う名レーベルSuntrip Recordsのコンピレーションです。このコンピは「オールドスクールの大物アーティストにもう一曲だけ作曲を依頼する」というめちゃくちゃアツいコンセプトでまとめられていて、大物が一斉に新作を発表したものです。オールドスクールゴアトランスのファンにはたまらないラインアップです。個人的にはXenomorph、Oforiaの曲が熱かったです。来年はダーク系の似たようなコンピも企画されているとのことだったので、それも楽しみですね。

 

3.Simon Posford - Flux & Contemplation

Shpongleの一人でありHallucinogenとして知られるSimon Posfordのアルバムです。とは言いつつShpongle作品のような明るく元気があるトラックが目立つわけではなく、全体的に閑かな仕上がりです。Shpongle的な作風からこういう作品まで作れるのか!という多彩さを見せつけられた感じがします。COVID-19の影響で世界中の都市がロックダウンしましたが、それに伴う閉塞感を暗示するようなタイトルが収録曲に与えられており、私のようにタイトルだけで共感してしまった人も多いのではないでしょうか。

 

2.Apach - Wildlife

ApachことMarco Adamはドイツの安定感のあるアーティストです。Apachの作風はアルバムによって若干変わるのですが、基本的に一貫しているのは、トライバルでありながら現代的な中性的なスタイルと、独特のリズム感覚・効果音テクニックです。特に今回紹介する最新作「Wildlife」は過去のアルバムと比べてもトライバル色がかなり強く、他のアーティストでは聴いたことのない独特な味がある、非常に興味深い作品だと思います。

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1.Maan - Floral Cortex

サイケデリックトランスとゴアトランスの中間を攻めてきた非常に面白い作品で、やはり2020年のベストアルバムを挙げろと言われたらこれかーという感じがします。典型的なベースラインに囚われずにアルバム全体を仕上げていて創造力の高さを感じさせますし、ドライさとウェットさが混在した雰囲気は、Man With No Nameに通じるところもあるかなーと個人的には思ってます。主要プラットホームにはまだ載っていない掘り出し物感があるのもちょっといいなって思ったり。

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一時間後、2020年のオススメトラック20選を公開します。そちらもぜひ一緒に見ていってください!

ちなみに2019年はこちら。

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*1:無論、ある程度飛ばしつつね