ゴアトランスにとって2020年は何だったのか
という仰々しいタイトルをつけてみましたが、そんな大したことは書いてないです。どうもPsykeです。2020年に起きたゴアトランス関係の主要な動きについて、自分の知っている範囲でまとめてみました。早速いきましょ。
2019年についての補足
ゴアトランスに関しては、2019年にはRee.kの記事でリバイバルと言われています*1し、SuntripのサブレーベルClassic Goa Trax*2やDAT RecordsのサブレーベルUnreleased Goa Records*3が始動したのも2019年でした。どちらかというと2019年の方がリバイバル元年という感じがしますね*4。までも一応、公開型の個人的な記録ということで、2020年に起きたことをここで書いておこうと思います。
Suntrip Records関係の動き
コンピ「Gamma Draconis」は2020年のアルバム10選でも紹介しましたね。「オールドスクールの大物アーティストにもう一曲だけ作曲を依頼する」というアツいコンセプトでまとめられていて、大物が一斉に新作を発表したものです。オールドスクールゴアトランスのファンにはたまらないラインアップだったはずです。
Suntripからは2021年1月によりダークな音にフォーカスした第二のコンピレーション*5が企画されているとか。個人的にはXenomorphに期待していますね。
また、SuntripのサブレーベルのClassic Goa Traxではあの「Dimension 5 - Second Phaze」がデジタルでリリースされました。Dimension 5の作品の中で何故かこのアルバムだけデジタルで出ていなかったので、個人的にはビッグニュースでしたね。
Matsuri Digital関係の動き
Matsuri Digitalでは、90年代の音源をサブスクメンバー向けに特別公開する仕組みができたようです*6。Ree.kもDATに触れてましたが*7、DATブームが来ているのかもしれませんね。
DATから発掘された、アンリリース曲や、Tsuyoshi 未公開の90年代のMIXなどが聴ける、ゴアトランスサブスクシステムはじめました。PRANAの楽曲からキックとかベースラインとか取出して音のサンプルキットとかも出していきます。マニアックな皆様のサポートお願いします🙏😀https://t.co/AhJdNUmwfq
— Matsuri Digital (@MatsuriDigital) 2020年9月11日
また、Matsuri Digitalのツイッターがイスラエルの若者らによるゴアトランスの活動をプロモートしていましたね。Aswad*8 Collectiveというプロジェクトで、Bandcampのページもできていました。初リリースにして限定CDもあったりと、有望そうです。ここから面白いゴアトランスが出てくるかどうか、2021年に期待ですね。
DAT Recordsの活動休止が鮮明に
おそらく2019年10月頃ですが、ゴアトランスの主要レーベルとして知られ、2008年から存在するDAT Recordsが突如活動を休止しました。私はBandcampのページが閉鎖されたことで2020年7月に気づきましたが、改めて当時のFacebookを見ると、2019/10/18*9の次の投稿は2020/8/15*10となっていますね。8/15日付の投稿ではひとまずサブレーベルUnreleased Goa Recordsの活動に専念するとの趣旨を発表していますが、それ以降のリリースはありません。Crop Circles、Doof、Blue Planet Corporationなどの作品を輩出した*11レーベルですから、残っていて欲しいですが。
Memo604の出現
突如出現したMemo604というレーベル。発足当初から猛烈な勢いでゴアトランス・サイケデリックトランスの名作を再リリースしていきました。権利関係大丈夫なのかよ??っていう勢いでしたね。
今ではその取り扱いアルバム数は70を越え、Koxbox - Dragon Tales、Chi-A.D. - Infinitismなどの名作の他、Shift、Bamboo Forest、Nervasystem、Dark Soho、Future Prophecy等よく知られたアーティストたちの作品が集まっています。ともかくめちゃくちゃ勢いがあるので、このままXenomorphのCassandra’s Nightmareとか出して欲しいです*12。失速しないでほしい。
まとめ
ここまで書いてみてもやはり2019年の方が元年感がありますが、2020年に目を向けるとやはりMemo604の設立は大きいのではないかと思います。全般的にオールドスクール作品のリリースが一層加速している感がありますが、DATがどうなるかという問題に加え、パーティーが全然開けないこの状況は不安材料*13でもあります。そのあたりどっちに転ぶかが、2021年で見えてくるのかな~と思ったりしています。ま、もう20年以上あるジャンルですから、どうにかなるとは思いますけどね。
*1:https://clubberia.com/ja/interviews/838-Ree-K/
*2:https://www.facebook.com/pg/Classicgoatrax/about/。Discogsの情報とも一致する。
*3:https://unreleasedgoarecords.bandcamp.com/album/akashic-dreaming。Discogsの情報とも一致する。
*4:なんで2019年の記事がないかというと、私がそこまでゴアトランスを追っていなかったから。その辺りご容赦くださいまし
*5:https://suntriprecords.bandcamp.com/album/carpe-noctem
*6:私自身は加入していない。なんせ生まれる前の音源だからな、敷居が高い。
*7:https://clubberia.com/ja/interviews/838-Ree-K/
*8:ウェブサイトのリンクおよびSoundcloudの一部表記はAswaadとなっているが、どちらが本当なのか?ロゴ的にはAswadなのでこう表記している
*9:https://www.facebook.com/DAT.Records.604/posts/2592731597432625
*10:https://www.facebook.com/DAT.Records.604/posts/3312806565425121
*11:https://www.discogs.com/ja/label/132833-DAT-Records
*12:Xenomorph推しが強くて申し訳ない。
*13:これは完全に余談だが、HOMmegaが2020年10月に”復活”したものの動きが特にないのも不安。休止した2018年以降一部のHOMmega作品がStereo Societyから再リリースされたが、この二つのレーベル間でのバッティング→共倒れとかやめて欲しいわ。