ギターを使ったサイケデリックトランス特集
どうも、Psykeです。
この前、当ブログのコメント欄にて、ギターサイケとボーカルサイケのリクエストをいただきました。少し時間が経ってしまいましたが、まずはギターサイケのオススメから紹介していこうと思います!
この記事の前半は私自身が知っている中からのオススメ、後半はツイッターのフォロワーさんに教えてもらったオススメです。前半はさらに2つに分かれていて、最初はいわゆるギターサイケ、すなわちヘビメタ系のギターサウンドが特徴の作品。その次は、クラシックギターのようなより清楚で落ち着いた音使いが特徴のサイケです。
それではいきましょう!
- Major7 - Not So Funny
- Xenomorph - Secret Satanic Hierarchy
- Dark Soho - Dark Moon in Stonehenge
- Vici Vici & Major7 - It’s Here
- Bubble - Sitar
- Sensient - Gorlitzer
- Zyce - Rising Lotus
- BLiSS - Boyz Make Too Much Noize
- Mitsumoto - Fffffuse
- S.U.N Project - Dance Of The Witches (1998 RMX)
- Xerox & Illumination - Tribal Metal (Remix)
- ギターが素晴らしいアルバム・アーティストたち
Major7 - Not So Funny
2016年リリースのアルバム「Toxic Generations Music」より。イントロの完成度の高さには目を見張るものがあります。この曲のイントロを聞いて曲の中身に期待しない聞き手はいないでしょう。そしてもちろん、その期待を裏切るようなことは彼らはしません。特に1:40秒からの展開。彼ら以外には作れない、高速で強烈な変化を見せてくれます。トレードマークであるギターのサウンドもふんだんに活用されています。
Xenomorph - Secret Satanic Hierarchy
アルバム「Demagoguery of the Obscurants」の中で一番好きな曲です。曲の中盤にかけての音程変化のあるベースラインがまさに私の好みにドンピシャ。それに加えてボーカルの挿入方法やリズムと同期した効果音の使い方に関しても実にXenomorphらしい作品です。雰囲気にも緊張感があり、タイトルが示す「裏の権力」感がよくにじみ出ています。もちろんギターも映える!
Dark Soho - Dark Moon in Stonehenge
ギター系サイケの中で特に好きな曲です。揺れるエフェクトがかかったメロディーが醸し出す不安感。そこからアシッド感の強い乾いたベースラインを導入し、強制的に聴衆を巻き込んでいきます。曲の後半からはギターサイケらしいメタル感のある音使いで楽しませてくれます。ギターサイケの中でもかなり輝いている作品ではないかと思います。
Vici Vici & Major7 - It’s Here
Major7はVini Viciのアルバム「Future Classics」でコラボを果たしています。この曲に関してはややMajor7色が強いですね。2:45秒付近から挿入されるギターのサウンドは、まさにMajor7のトレードマークです。一方、ブレイクの挿入方法やEDMのドロップに似た落とし方と再展開に関してはVini Viciの色が強く出ています。双方の良さがよく現れた、コラボと呼ぶに相応しい作品ではないでしょうか。
ここまでがいわゆるギターサイケのオススメです。次にクラシックギター的な音使いを用いた、清楚系のギターサイケをいくつか紹介します。
Bubble - Sitar
非常に美しい弦楽器サウンドから展開するダウンテンポ寄りの作品。40秒過ぎで一度この弦楽器を消しますが、1:20過ぎから復活させ、オンオフを切り替えながら曲を展開していきます。4分過ぎからは速度を切り替えて再点火。電子的な上層音も動員しながら旋律性豊かに仕上げてくれます。ヘビメタらしいギターではなく、よりクラシックなギター枠です。
Sensient - Gorlitzer
同じく非ヘビメタ系ギターサイケ。いわゆるサイトランスのグネグネ感やノイズが一切無い、清潔感あふれる作品。膨らみを持った豊かな低音、技巧的で繊細な上層音、そしてギターによる丁寧な装飾。Sensientならではの洗練された雰囲気を保ちながら、ベースラインの左右へのパンを効かせ、その間を縫うようにメロディーが織り込まれていきます。何とも美しい、完璧で比類なきサイケデリックトランスです。
Zyce - Rising Lotus
強烈な重低音サウンドが特徴的なアーティストZyceの最新作です。なのですが、この作品では新しい方向に一歩を踏み出しているように思えます。曲全体を通して東洋風の弦楽器メロディーを維持し、BPMを変化させながら徐々に加速、最後には再びBPMを元に戻します。まさに朝に開き夕方に閉じる蓮の花のような優雅さを備えている作品と言えるでしょう。
ここまでが私が知っている中からのオススメです。ここからはフォロワーさんに教えてもらった曲たちです。気になった方はぜひツイッターの#ギターサイケを覗いてみてください!
BLiSS - Boyz Make Too Much Noize
イントロに使われているメロディーが好きで紹介することにしました。サイケのメロディーをギターで置換しているのではなくて、ギターをギターとして設計し、それをサイケに落とし込んでいる感じ…ちゃんとヘビメタ感があって、ただの効果音としてギターを用いているのではなく、ギターを理解している感じがします。見事なシナジーです。拍手。
Mitsumoto - Fffffuse
浅学なもので、フォロワーさんに教えてもらってこのアーティストを初めて知りました。しっかりとした四つ打ちでキックを固めた上に、これまた濃厚なギターの幕を乗せてくるスタイル。さらにそれを背景に溶けさせて、その上からネオゴアっぽい、連続的に変化していく私好みのメロディーを被せてきます。いくつもの層が互いに打ち消しあうことなく共存していて綺麗です。
S.U.N Project - Dance Of The Witches (1998 RMX)
分厚いギター音を前面に持ち出している、the・ギターサイケという感じのトラックです。最近の作品しか聞いていなかったので私は知らなかったのですが、S.U.N Projectはギターサイケ界隈では有名な存在らしいです。最近の作品はそれとは一味違ったプログレッシブな作風なので、そちらと一緒に楽しめると味わい深くなるんじゃないかなと思います。
Xerox & Illumination - Tribal Metal (Remix)
フルオンサイトランスのアーティストとして名高いXerox & Illuminationです。ギターとサイケデリックトランスのコラボレーションという意味では王道なスタイルという感じがしたので紹介させてもらいます。個人的に刺さったのは3:50過ぎのブレイクでの変化。そこから再点火されるベースラインは他で聞いたことがなく興味深い体験でした。
この記事では触れていませんが、この他にもInfected MushroomやJuno Reactorなど有名なアーティストたちが数多くギターを用いています。また、フルオンサイケとギターには切っても切れない強い結びつきがあります。サイケの流れを理解する上で、ギターの使われ方がどのように変化してきたのか、考えるのも面白いなと思いました。
ギターが素晴らしいアルバム・アーティストたち