心震わす魂の雄叫び【Xenomorph】
どうも、Psykeです。
ダークサイケ・フルオンサイケにはそれぞれ良さがありますが、それが逆にダメという人もいるでしょう。ところが、「ダークサイケ的な無機質さを持ったフルオン」に近いサイケデリックトランスを作るアーティストもいるのです。今回紹介するXenomorphはまさにそんなアーティストです。
- Xenomorphとは
- Xenomorph - Apocalyptic Ritual
- Xenomorph - Telepathic Combat
- Xenomorph - Secret Satanic Hierarchy
- Xenomorph - Maladjusted Noise Experiments
- Xenomorph好きの方にオススメするアーティスト・アルバム
Xenomorphとは
Xenomorph(ゼノモーフ)、本名Mark Petrickは、ドイツ出身のアーティスト。1997年にデビュー、2007年には3rdアルバムとなるDemagoguery Of The Obscurantsをリリースしましたが、それ以降は特に活動していない模様です。
Xenomorphの作品の特徴は、男性ボーカルを多用した緊張感・冷涼感のある加速性です。ダークサイケに分類するのが妥当と思いますが、ハイテクサイケほどの狂騒性は感じません。曲の展開にも連続性があります。
ギターもよく用いるのでInfected Mushroomに通じるところが多いですが、変化で魅せるInfected Mushroomよりもトランス的な連続性や展開力が優れているようにも思えます。無機的な雰囲気とベースラインを走らせる構成はFreedom Fightersにも通じますが、連続性はやはりXenomorphの方が一枚上手と思います。
ではオススメの曲に参りましょう!
Xenomorph - Apocalyptic Ritual
ひんやりとした空気感のイントロから疾走していくトラックです。1:20過ぎから挿入されるメロディーラインがこの曲を好きになる決定打でした。シンプルな音階を踏んでいくだけでこれだけの空間性と世界観を作り出すことができるのは驚きです。曲の中盤からはXenomorphの特徴ともいうべき男性ボーカルを多用した有機的な表現を見せてくれます。硬い展開と柔らかい表現のマリアージュ。
Xenomorph - Telepathic Combat
言葉にならない魂の蠢きのような背景音の中からキックが浮上してくるイントロです。リズムはプログレッシブで、徐々にベースの層の厚さを増やしていくことで盛り上げていきます。5:20過ぎのブレイクで載せられる音が私のフェチを貫いてきました。Apocalyptic Ritualのような悲観的・無機質な空間性と比べると暖かさがありますね。
Xenomorph - Secret Satanic Hierarchy
アルバム「Demagoguery of the Obscurants」の中で一番好きな曲です。曲の中盤にかけての音程変化のあるベースラインがまさに私の好みにドンピシャです。それに加えてボーカルの挿入方法やリズムと同期した効果音の使い方に関しても実にXenomorphらしい作品です。雰囲気にも緊張感があり、タイトルが示す「裏の権力」感がよくにじみ出ています。
Xenomorph - Maladjusted Noise Experiments
スピード感と威力のある独特なベースラインから曲が始まっていきます。低音域というよりは高音域で攻めてくる浅さが特徴的です。1分過ぎからはメロディーを載せ始めてネオゴアトランスのような展開とし、その後にボーカルや効果音を付加して、Xenomorphの王道スタイルに近づけていきます。ベースラインを先に走らせて効果音とメロディーに追従させる曲の構成はFreedom Fightersにも通じますね。
活動が長期に渡って中断してしまっているので、もしかしたら引退してしまったのかもしれません。それでもこれらの作品には色あせることのない独自性があると思います。
Xenomorph好きの方にオススメするアーティスト・アルバム