Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

鬱蒼とした意識の密林に突入する【Petran】

どうも、Psykeです。

ダークサイケのレビューは桁違いに難しいんです。使われる音が統一されていたり、BPMが曲やアーティストによらず一定だったりして、アーティスト間の判別が難しいのもありますが、やはり空間性が独特で、言葉にするのが難しいんですよね。

とはいえ、ダークサイケなくしてサイケを語ることはできません。まず誰を語るべきか?と考えた結果、私がダークを本格的に嗜むきっかけとなったアーティストがいいと判断しました。それがPetranです。

 

Petranとは何者か?

Petran(ペトラン)、本名Petros Galanakisは、2010年にデビューしたギリシャ出身のアーティスト。音楽を始めた当初はロックバンドのギタリスト/作曲家として活動していましたが、その後サイケに傾倒し、現在はParvati Recordsなどの著名レーベルでダークサイケを製作しています。

Petranのダークサイケの特徴は、低音の深度と有機性を重視した上層音配置です。Petranが用いる高速の低音では、一般的なサイケと比べると比較的浅いところで鳴らされる一方で、その音に厚みがあるので、運搬力と空間性が適度にバランスされた曲が出来上がります。また、一般的なダークサイケと比べて動物的な音を多く使い、一般的なダークサイケと比べて上層音を少し抑えるのも特徴です。

それでは、曲の紹介に逝きましょう!

 

Petran - Voyager Of Psychedelic States

フォレストサイケという言葉がここまで似合う作品もなかなか無いのではないのでしょうか。首筋に冷たい吐息が吹きかかるような不安感を煽る効果音が上層を飛び交います。時折挿入される動物の啼き声のような効果音が、まさに森林の中のような鬱蒼とした空間性を演出します。フォレストサイケはハイテクダークサイケと似ていますが、ハイテクほど上層にノイズを張らないのが美点で、その良さが滲み出ています。

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Petran - So Long And Thanks For The Trip

もちろんこの場合のトリップとは、意識が別の世界へと旅することを指します。この今日は冒頭でカモメや動物的な音を動員し、上の作品と似た低音・有機的な雰囲気を作り出し、曲の展開とともにそのイメージを強化させていきます。タイトルゆえに意識しているのかもしれませんが、柔らかく着地を決める飛行機のような秀逸なフィニッシュに送り届けてくれます。

 

Petran - Moondance

上の作品と比べて有機的な音づかいを抑制した、王道よりのダークサイケです。水面の動きを連想させる、沸き立つような効果音が特徴的です。こちらの動画の背景に表現されていますが、まさに月の姿が水面の上で踊っているような曲げを持った作品です。そのゆらぎに合わせて、暗闇に紛れて霊体や精霊が踊っているような、少し肌寒い情景が浮かび上がります。

 

今後、ダークサイケ方面、皆さんお馴染みのPsykovskyやKindzaza、Crazy Astronautも豊富に紹介していければと思っています!

 

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