徹底解剖!ダークサイケとは何か?【ハイテク・フォレスト・ミニマル】
ダークサイケの知名度は、サイケデリックトランスの中では案外高いのではないかと思います。おそらくフルオンサイケと並んで日本で最も知名度の高いサイケデリックトランスではないでしょうか。
ダークサイケに関して、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。高速、グネグネ、ビュンビュン。そういうイメージが強いと思います。
ですが、一概にダークサイケと言っても、蓋を開けてみると実に色々な作風があります。そこで今回は、ダークサイケの色々な作風を紹介していこうと思います!
一概にダークサイケと言っても、実は多様
ダークサイケに限らず、サイケデリックトランスのジャンルは明確に区別されている訳ではありません。「これがあったらダークサイケ」みたいな決定的な条件もなく、定義は結構曖昧だと私は思っています。
ダークサイケには「フォレストサイケ」「ハイテクサイケ」「サイコア」などなど、いくつか兄弟のような別称がありますが、こうした名前の多様さもその曖昧さに起因するものです。
敢えてダークサイケの特徴をいくつか抜き出すとすれば、こんな感じです。
とはいえ、こうした特徴が曲によってあったり無かったりします。
今回は色々な種類のダークサイケを集めてみました。それぞれ全く違う作風なので、是非聞いてみてください!
ハイテクサイケ
ハイテクサイケはサイケデリックトランスの中でも特に「ヤバみが深く」「偏差値が高い」タイプのサイケデリックトランスです。ノイズミュージックに近い細かい制御、時に200を超える超高速系BPM、そしてダブステップのような予測不能な変化など、ともかくてんこ盛りな作品が多めです。いわゆるダークサイケのイメージにもっとも近いスタイルかと思います。
Psykovsky(サイコフスキー)はハイテクサイケの名手。ハイテクサイケには初見だと「闇雲に音を散らかしているだけ」に聞こえてしまうという弱点がありますが、Psykovskyの曲展開には、なぜか納得させれられる部分があります。
(一般的な)ダークサイケ
ハイテクほどのぶっ飛んだ表現や変化はありませんが、実にダークサイケらしい速度と空間性のある曲が多いです。ハイテクサイケは一部の特殊な人間にしか作れない感じがしますが、プログレッシブダークサイケに関しては安定感のあるアーティストや作風が多い印象です。サイトランス好きの方にも馴染みやすいかと思います。
Vertical(バーティカル)は、プログレッシブサイトランスも手がけるダークサイケとの二刀流アーティストです。Psykovskyほどの狂気性は感じないものの、ダークな雰囲気を維持しています。最近の一般的なダークサイケのイメージに最も近い作品だと思います。
フォレストサイケ
フォレストサイケの特徴としては、鳥や獣の声や、吹き抜ける風のように聞こえる効果音、まさに森の中にいるような神妙な表現が挙げられます。上の2つのダークサイケと比べても、フォレストサイケでは「世界観」が強く出ていると思います。それゆえにフォレストサイケは中毒性が高いんです。
Psykovskyのようなハイテクを「熱い」と表現するなら、Petran(ペトラン)のこの作品は「冷たい」。プログレッシブダークサイケのVerticalの作品と比べても音が有機的で、幽幻性が高い雰囲気になっています。夜の樹海のような、包み込んでくるような、闇の空間を用意してくれます。
ミニマルダークサイケ(ゼノネスクサイケ)
Sensientが率いるオーストラリアのレーベル「Zenon Records」は、ノイズや超技巧を特徴としたミニマルダークサイケ、通称「ゼノネスクサイケ」と呼ばれるムーブメントを牽引しており、現代サイトランスの最先端を突き進んでいます。
Sensient(センジエント)は、ミニマルミュージックとダークサイケを掛け合わせた横断的なスタイルを確立しています。上の3作品よりBPMは遅めですが、雰囲気的にはこれもダークサイケと言って良いでしょう。メロディーありきの曲構成ではなく、シンプルなベースラインに効果音を積み重ねてリズムを作り上げていきます。
こんなダークサイケもあったんだ!という発見があれば、作者としても光栄です!
ダークサイケ好きの方にオススメのアーティスト!
初めての方に