Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

深淵を覗き込む時【MVMB - The Sleeper Must Awaken】

完成度の高いアルバムはどんなジャンルでも重宝されると思います。個人的には、ある1つのコンセプトのもとに綺麗に統一されたアルバムが好みです。

今回紹介するMVMBのアルバムには、独特の空間性とリズムセンスを持つMVMBの良さが徹底的に凝縮されています!

 

The Sleeper Must Awakenについて

MVMB は2人のデンマーク人アーティストMartin ViceとMichael Banelによるユニットです。2人の頭文字をとってMVMB。それぞれVice、Behind Blue Eyes など、個人での活動も行っています。

「The Sleeper Must Awaken」は2016年3月にリリースされたMVMBのデビューアルバム宇宙のような深い空間性と、普通のサイケには無い「ズレ」で楽しませるという徹底したコンセプト。これがデビュー作?と思ってしまうほどの驚くべきクオリティーです。

全体としてはダークサイケに似たミニマルな雰囲気で統一されていますが、ダークサイケほど賑やかではなく、静かな立ち上がりからクールに各曲を仕上げます。ベースラインやリズムセンスもユニークなので、ゴアトランス好きの方にもウケるのではないでしょうか?

MVMBについては、こちらの記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

psytrance101.hatenablog.com

それでは、曲のレビューです!

 

MVMB ft. Morten Granau - Thoughts

また別の異端児Morten Granauとのコラボ作品。森林の中のような雰囲気から曲が始まります。

単調なベースラインによる予定調和とは異なり、音と身体感覚のズレを楽しんでいるような曲。タイトルからするに、心と体のズレがテーマになっているのかもしれません。曲を通して聞くと、絶妙な少なさで挿入されるシンバルの存在に気がつきます。これがまた実に絶妙です。あざとい。悪意があるとしか思えない。

ここまでくると、トランスでは無い、また別のジャンルを築いているようにも思えます。

youtu.be

 

MVMB - Sensory Experience

これも傑作です。一見オフビートだけど妙にうねりのあるベースライン、そして、ランダムな間隔で挿入されているように聞こえる「シーン」という訳のわからん音。これが非常に癖になります。耳に残ります。もう一度聴きたくなります。

Thoughtsもそうですが、この意味不明さを徹底した、良い意味でバカっぽい作品を作ることが、MVMBならではの特徴です。どんな冒険も徹底的にやり尽くしてくれるので、アルバムとしても曲としても、存分に聞く側を満足させてくれます。

youtu.be

 

MVMB - Interstellar

Interstellarは星間という意味ですが、その名の通り、宇宙をテーマにした作品だと思います。深く響くキックの低音とディレーが作り出す豊かな空間効果がとても宇宙的。宇宙人との通信が発生しているような表現も光り、素粒子が飛び交う宇宙のボイド空間的な雰囲気もあります。

この曲もまた、メロディーを一切用いないという究極のスタンスを最後まで徹しています。ここまでメロディが無いサイトランスも珍しいかもしれません。これこそがMVMBの特技です。

youtu.be

 

完成度の高いアルバムには充実感がありますが、このアルバムもまさに充実したMVMB作品なのではないかと思います!

 

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