破壊的創造力の賜物【Rising Dust - Arba】
どうも、Psykeです。今回はRising Dustというアーティストのアルバムを紹介します。稀に見る非常に面白いユニットなのでぜひ聴いてみてください!
- Rising Dustとは
- Rising Dust - Haravot
- Rising Dust - Skankism
- Rising Dust & Darwish - Noyla Menoyla
- 似た作風のアーティスト・アルバム
Rising Dustとは
Rising Dust(ライジング・ダスト)はAmi DahanとJohn Aharonの二人からなるイスラエルのユニットです。Bubbleとして知られるKaren Bagdasarovの紹介で2012年に二人は知り合い、2014年にデビューアルバム「The Resistance」をリリースしています。
https://www.facebook.com/RisingDust/
今回紹介する「Arba」は彼らの4thアルバムです。デビュー当時から彼らはかなりプログレッシブなスタイルの作品を展開してきました。彼らの最大の特徴は、優れたボーカルサンプル力と変化の多彩さです。聞き手を飽きさせることのない遊び心豊かな作品を多数リリースしており、個人的には、AstrixやInfected Mushroomと並んで、最もクリエイティブな2010年代のアーティストだと思っています。
「Arba」もその創造力の賜物です。オススメの曲を紹介します。
Rising Dust - Haravot
静かに、しかしながら激しくうねるベースラインが特徴的な一曲です。冒頭で挿入され、0:40付近から再開される金属性の効果音が個人的にフェチです。ボーカルサンプルの内容的な強烈さも魅力。「もし人生に押し倒されそうになったら背中で受けを取れ。上を見ることさえできれば立ち上がることができる」というセリフが引用されていて、活力に溢れています。
Rising Dust - Skankism
「依存する能力こそが我々人間と動物を区別するものである」という趣旨のサンプリングが挿入されています。その文を体現するように、1:10過ぎから耳に残るSkankismという造語が反復されていき、ベースに乗って運ばれていきます。Rising Dustならではの遊び心と変化豊かなスタイルをマグネティックな仕上がりへと昇華させた作品です。
Rising Dust & Darwish - Noyla Menoyla
サイケらしいトライバルなイメージのボーカルサンプルから開始される曲です。そこからフルオンベースラインを導入して曲を構築していきます。オフビートやプログレッシブなリズムへの変化を混ぜながら遊び心豊かに展開。個人的には6:00過ぎに添加される上層音メロディーが好き。オールドスクールゴアトランスを彷彿とさせる破れたような加工術が刺さります。
Rising Dustは聞けば彼らとわかるトレードマーク性の強い作品を作るアーティストです。他のアーティストに真似できない才能を感じさせます。今後の作品にも期待していきたいところです。
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