Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

記憶と意識の遠近法【Dreamstalker - Memory】

どうも、Psykeです。

今回は令和初更新ですね。どうせならめちゃくちゃカッコいい作品、自分の中でも特に評価が高い作品のレビューから入ろう!ということで、今回は、夢や意識や記憶をテーマにしたダークサイケのアルバムを紹介します。

 

Dreamstalker - Memoryについて

Dreamstalkerは2012年にデビューしたアーティスト。ハイテクに近い高速系ダークサイケ、ゼノネスク的な技巧系ダークサイケ、そして今回紹介するMemoryのようなダウンテンポ系ダークサイケなど、ダークサイケを舞台に多様なスタイルで作品を作るアーティストです。自身の作風のことを「Exotic Trance」と形容しています。

今回紹介するアルバム「Memory」は、2016年にリリースされたDreamstalkerの5thアルバム。2013年から3年をかけて計4カ国のスタジオで収録されました。この作品の特徴は、空気遠近法的な奥行き感・浮遊感のある音づかい。アルバム全体を通して、人間の意識や無意識、夢、記憶といったようなものがテーマになっていますが、それらの取り留めのないイメージが意識の空間の中で自由に動き回るような豊かな空間性を生み出しています。個々のトラックの完成度、そしてアルバム全体としての統一性、その両方が秀でた実に素晴らしい作品です。

それでは、オススメの曲に行きます!

 

Dreamstalker - Dreamserver

澄んだ大海原の中で浮遊しているような空間表現が特徴的な作品。柔らかなオーラのイントロに遅めのギャロップを追加して曲を展開していきます。1つ1つの音に豊かに効果を与えながら長持ちさせ、ベースラインが演出する空間内に音を散らかして浮遊感のある表現を演出しています。夢やイメージやインスピレーションが湧き出る泉のような永遠性を感じさせますね。

 

Dreamstalker - Memory

1:50過ぎに奥で鳴らしていた低音を浅いところまで戻し、空間をぎゅっと縮めつつつつも雰囲気を維持しているところがあり、音で遠近法的な表現を試みているように感じられます。Dreamserverよりもメロディーを短く区切りつつ、4:00からはシンプルなメロディーを左右に強く振り分けながら遠近感を作り出し、意識されるようで意識されないような、記憶のイメージ空間を作り出してくれます。

 

Dreamstalker - Fuse Dimention

上の作品と比べてプログレッシブなビートが特徴的な作品。DreamstalkerはZenon Recordsにも登場していますが、そのゼノネスク的な作風を前面に押し出した仕上がりとしています。メロディー性も抑えているという点では、ダウンテンポ系のハイテクサイケに分類されてもいいかもしれません。空気遠近法的な遠近感のある音づかいはこの曲でも生きています。

このアルバムのような完成度の作品は、年に2、3枚あるかないかというレベルではないかと思っています。ぜひこの機会に手にとってみてください。

 

Dreamstalker - Memoryに似た作風のアーティスト・アルバム

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