高精細の透明空間【Flucturion 2.0】
どうも、Psykeです。久しぶりにアーティスト紹介といきましょう!今回はFlucturion 2.0というダウンテンポ系のアーティストを紹介します。
- Flucturion 2.0とは?
- Flucturion 2.0 - Personal Frequency Tweaker
- Flucturion 2.0 - Calm After The Storm
- Flucturion 2.0 - In The Interval Between
- Flucturion 2.0 - Reload Lost Illusions
- Flucturion 2.0 - Risad
Flucturion 2.0とは?
Flucturion 2.0(フラクチュリオン2.0)、本名Konstantin Yakushinは、ロシア出身のアーティスト。フルオンサイケを制作するFlucturionのエイリアスであり、作風はダウンテンポ系のサイトランスです。
彼の作品の特徴は、空間に散りばめた上層音で描き出す清楚で透明感のある雰囲気です。ゴアトランスやフルオンサイケに見られるはっきりとしたメロディーは用いず、空間全体に音の点を散りばめた複雑なメロディーを使います。時折低音にも音程変化を与えながら、メランコリックなサイケデリック空間を作り出してくれます。
それではオススメの紹介にいきましょう!
Flucturion 2.0 - Personal Frequency Tweaker
2015年リリースのアルバム「Sensitized」に収録された一曲。低音が曲に速度感を与え、ディレーやリバーブを存分に作用させたメロディックな上層音は空間の深さや広がりを演出します。Flucturion 2.0の作品としては速い部類に入る作品で、心地よい意識のジェット気流に乗っているような感覚を味わわせてくれます。「個人の周波数を励起させる」というタイトルにも納得です。
Flucturion 2.0 - Calm After The Storm
Personal Frequency Tweakerと似た爽やか系の上層音を持ちますが、こちらの曲ではベースにより大きなメロディックな動きが与えられており、メランコリックな雰囲気を濃くした豊かな情景描写を実現しています。4:35では転がるメロディーと低音だけを残した状態にし、そこからメロディックなアープを出現させて豊かな空間をもたらしてくれます。
Flucturion 2.0 - In The Interval Between
空間全体に点の音を散りばめながら簡単には把握できないメロディーを現していくのがFlucturion 2.0の1つの特徴といえます。しかしその点メロディーの存在感や劇的な変化の演出が難しいという特徴がありますが、Flucturion 2.0は見事にそれを乗り切ります。Calm After the Stormに続き、この曲もまたその超克に成功している一例です。3:55からの再展開が何とも魅力的です。
Flucturion 2.0 - Reload Lost Illusions
低音を固定して上層音を変化させるスタイルはPersonal Frequency Tweakerと共通ですが、よりメランコリックな雰囲気を強く感じます。氷が弾けるような鋭い音や高音域を重視したパッドを用い、寒色系の神秘的なオーラを放つ作品です。寒色系のテーマ性の強さという意味では、Personal Frequency Tweakerよりもこの作品の方がより印象的だと思います。
Flucturion 2.0 - Risad
ここまで見てきた作品の上層音はいずれも清楚系のものばかりですが、この曲では90年代ゴアトランスを連想させるややダーティな音使いをしています。重低音は細かい間隔で音程変化を与え、不安定感を持ったコードを採用。上層音の清楚感と重低音の粘着性が融合し、他の作品とは異なるドラマチックな仕上がりを見せている作品です。
作品数は決して多くはないですが、高クオリティーの作品を見せてくれるアーティスト,Flucturion 2.0を紹介しました。サイケ界隈にはそういったアーティストが数多くいるので、見逃さないようにしていきたいですね。
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