Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

最新曲!2021年5月編

どうもどうもPsykeです。少し遅れましたが5月のリリースをレビューしていきます。5月はなぜか良作が多くて、普段よりも紹介作品数多めです。レビューワー冥利に尽きると言うやつですね。てか、これでも絞り込んだ方ですよ?

まずはこの曲からいきましょう。Infected Mushroom - Ma Osim、最新のEPからです。色々な方面でサイケの停滞*1を感じることが多い中で、Infectedは衰えを感じさせないですね。元々型に囚われていないからでしょうか、王者の余裕という感じがします。

次はAudiospazmのアルバムより、Infinite。Audiospazmは以前の最新曲紹介*2でもトラックを紹介しましたね。その時の作品の印象は「生真面目なゼノネスクサイケ」だったのですが、このアルバムではWeapon Recordsのブランド*3に合わせたのか、有機的な感触を盛り込んできました。ベースラインやメロディーには今までの作品にはない浮遊感があり、アルバムとしても投資する価値のある一枚と呼ぶにふさわしいです。

お次はAnimato & Pettra - Mind Storm。先月の記事で紹介したTimelock & Inner Sphere - Ascensionに似て、曲の途中でマグネティックっぽいプログレッシブなスタイルに乗り換えますが、その接続に無理がない、整った作品ですよね。3:00過ぎの切り換えはいい意味で驚きますし、曲の後半にまでその時の雰囲気が維持されています。4ユニット揃ってさすがIbogaのベテラン勢という感じですね。

さてお次は日本のレーベル604 RecordingsからQuantum & E-Jekt - Area 88。604 RecordingsはKundalini、Bell Size Parkなど、ビシバシした音を好んで使うアーティストが集うレーベルで、トランスならではの連続性を持たせる技術力が高いアーティストが多いです。この曲もそれを汲みつつ堅実な構成にしています。個人的には5:15過ぎですね、メロディーがチラ見えし始めるくらいの空気感がぶっ刺さりました。

次はSpecies - Ad Astraです。Speciesは定常的なベースラインとランダムな効果音とでコントラストを持たせたスタイルが特徴的なアーティストです。その歳差で踊らされる感じでしょうか。アルバム「Complexity Moving to Simplicity」が好きで、その頃から基本的なスタイルを変えずに徹しているあたり、好感を抱いてしまいますね。

youtu.be

次は昨年11月にリリース*4と発表しておきながら全然リリースされなかったSuntreeの新アルバム「Face the Music」より、Imagination。先行してリリースされていた複数のシングルは最近流行りのプログレ方向に振っていたのでアルバムがどうなるかなーと期待/憂慮していましたが、特にこの曲では本来のSuntreeのプログレ感が戻ってきた感があります。鋭く的確でいい無駄のあるシンバル、平衡感覚を狂わせる緻密な音響制御。これぞSuntree。素晴らしいです。

で、締めはMicrolin - Prayerでいきましょう。Microlinはクラシックなミドル系を作るアーティストで、音が整ってるんですよね。Aioaskaやプログレに振り切る前のStatic Movementに似た洗練された音づかいをします。去年の作品も良かったのがいくつかありますが、まだ作品数が少ないです。いつかアルバムで聴きたいアーティストです。

 

ふう、よく書きました。でも最新曲の処理だけではブログとして面白くないよね。。2021年の新作だけでも、紹介すべきアルバムが溜まってきているので、なんとか裁き切りたい!

 

*1:それが悪いことであると言っているのではない。むしろ変わらないことこそがサイケの良さでもある

*2:https://psytrance101.hatenablog.com/entry/latest-november-2018

*3:Zenon Recordsと似た方向性ではあるが、Zenonは電子音や無機性に振り切っているのに対して、Weaponはもう少し有機的な表現の作品が多い。

*4:https://m.facebook.com/ibogarecords/photos/a.108326974835/10158242360319836/