Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

心に渦巻く感情の嵐【Dark Whisper - Realms of Unseen】

どうもPsykeです。

ハイテクサイケを紹介するのは初めてですね。サイケを聞き慣れた私にとってすらややハードルが高いジャンルではありますが、Dark Whisperの作品は空気感、世界観が充実していて特筆すべきです。ということで、まずはこのアルバムから紹介!

 

Realms of the Unseenについて

Dark Whisperはダークサイケ/ハイテクサイケを作るイタリアのアーティストです。デビューアルバム「Spirit of an Age」を2012年にリリースしており、ドイツに拠点を置くレーベルAlice-D Recordsを率いるアーティストでもあります。

今回紹介する「Realms of the Unseen」は2016年にリリースされたセカンドアルバム*1という位置付けですね。

サイトランスという時点で既にジャンル的制約が多いですが、その中でもハイテクサイケは特に制約が多い印象です。BPMと使用される効果音は概ね固定で、プログレッシブサイケのような低音の遊びの余裕もありません。それでもPsykovskyやKindzadza、Marambaなどの著名アーティストはやはり聴いてそれと分かる何かを持っています。Dark Whisperに関してもそれは同じで、Realms of the UnseenはDark Whisper的なものをよく代弁する作品の密度が特に高いです。アルバム後半に向けてBPMが上がっていくような構成で”アルバム上のどこにでも棲める”のも魅力的ですね。

ではここからイチオシのトラックを紹介していきます!

 

Dark Whisper - Idir

Dark Whisperを掘るきっかけになった、イントロが超印象的な一曲です。透明感のある空間に高BPMのベースラインをぶつけ、そこから一気に持っていきます。ハイテクサイケならではのたち現れは消えていく効果音も緻密に制御されていて、曲の展開に伴い烈しさを増していくにも拘らず序盤の透明感が維持されている、不思議な作品に仕上がっています。傑作ですな。

 

Dark Whisper - raMa

Idirと比べてもハイテク的な破壊力が炸裂している作品ですね。ブレイクを所々に導入したIdirとは異なり、イントロで加速したまま最後まで一気にぶっ飛ばすスタイルです。ギュルギュルした変化のみでなく、細切れのメロディーを挿入して、多すぎず少なすぎもしない快適な変化量を持たせています。無駄のない仕上がりですね。

 

Dark Whisper - Saturn-Moon Matrix

アルバムの後陣を任されている先に紹介した二作品よりも高BPMの作品です。オルガン的なメロディーが崩れたあとの瓦礫の中から激しい低音が覚醒していきます。ハイテクならではの暴力性もありますが、やりすぎないあたりがまさにDark Whisperらしいです。Klipsunの作品に似た断片詩的な雰囲気を愉しむための余裕もありますね。

 

豪華な装丁も魅力的なこの作品のCDはAlice D RecordsのBandcampで手軽に入手できます*2。 

 

この作品に似た作風のアルバム・アーティスト

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com

 

*1:https://www.bravorecords.net/product/6542

*2:購入時、なぜかこの作品だけ妙に安かった