Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

サイケデリックな粘性空間【Suntree - Inside】

どうも、Psykeです。

やっぱり本格的にアルバムをレビューすると記事執筆に30分くらい時間かかっちゃいますね。それでも初めの頃よりは質も上がっていると思うし、何より書くのが速くなってきて嬉しかったりしているこの頃です。

さて、「サイケデリック」という感覚はかなり人によって違うと思いますが、今回は僕の思う「サイケデリック」に非常に近い作品を1つ紹介しようと思います。

 

Suntree - Insideについて

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Suntree作品の特徴は2つあると思います。1つは独特のクセがあるシンバル挿入術。通常は四つ打ちのようにキックとシンバルをある程度実際の楽器の演奏法に近づけるものですが、Suntreeはそれを無視した位置に音を挿入した癖のあるリズム感覚を好みます。そしてもう1つの特徴は、ベースラインと相性の良いメロディーを用いることで生まれるねっとりとした空間性です。彼の作品が生み出す世界観はサイケデリックという感覚を非常によく捉えていると私は思います。

こういったSuntreeのトレードマーク性が凝縮されているのが、2009年にリリースされたこのデビューアルバム「Inside」。ぜひその中毒性の高いサイケデリック空間をご賞味あれ。

 

Suntree - Lonesome Dream

アルバムのトップバッターを飾る作品。まず耳に留まるのが、Suntreeらしい絶妙なシンバル配置が生み出す癖の強いリズム感覚。そのまま安定の展開力で曲を持ち上げていった先、4分過ぎに現されるメロディーラインが、私的にはめちゃくちゃ好きなんです。浅いところを動き回るベースラインとメロディーがべったり癒着して曲に粘着力を与え、実に粘性の高いサイケデリックな空間を作り上げています。

 

Suntree - X.T.C

ともかく中毒性が高い一曲です。一度聞いたら絶対に後でもう一度聴きたくなります。X.T.C.はエクスタシーのことですが、その中毒性を忠実に再現している曲なのかもしれません。冷たい空間性の中を強烈なベースラインと巧妙に配置されたドラムが貫いていく。低音の構成も特徴的で、ベースラインが複数の層に分かれて配置され、曲が進むにつれてそれぞれの層がうねるように現れてきます。こんな低音は他になく、この曲が私の中で不滅の価値を獲得している理由でもあります。

 

Suntree - Unseen

アルバムの中でも時にプログレッシブトランスならではの多彩な展開が魅力的な作品ということでピックアップしました。曲の前半では前述のX.T.C.とよく似た展開を見せます。2分過ぎから追加される、上がりもしないけど落としもしない無表情なメロディーがまた魅力的。さらに6分過ぎのブレイク。シンプルなベルがひたすらに鳴り響き、そこにベースラインが加えられて曲として再展開される。シンプルかつドラマチックな再構築フェティシズムを覚えます。

 

アルバム全体の雰囲気の統一性に徹底的に浸り、Suntreeのリズム感覚・メロディー感覚の多面的な才能に触れられる、非常に完成度の高い作品だと思っています。ぜひ一度手にとってみてください。

 

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