Vini Viciは「サイケ」か?
どうも、Psykeです。
先日こんなツイートをしたところ、Vini Viciに関して色んなリアクションを頂きました。
あえての辛口サイケ批判
— Psyke (@PsytranceBlog) 2019年3月18日
・大ベテランが流行に合わせただけの日和見的な作品しか作らない
・他の若手アーティストはそれすら超えられない
・技巧の暴力としか思えない作品が多い
・いつまで同じようなフルオンを量産するのか?
・Vini Viciスタイルはそろそろ飽きられて終わるぞ
そこで改めてVini Viciはサイケか否かという問題が浮上しました。
今月中に「Vini Viciはサイケか否か問題」について書きます。そろそろ決着をつけようではないか。
— Psyke (@PsytranceBlog) 2019年3月19日
今回はそれについて私見を述べようと思います。
Vini Viciはサイケデリック「トランス」か?
まず「Vini Viciはトランスか」に関してですが、私はどちらかというとトランスではないと思っています。トランスと認めるにはやや変化が多いように感じるし、ブレイクもEDM的・不連続的です。また、ダークサイケやフォレストサイケのような空間性や没入的世界観の存在も感じません。
Vini Viciがサイケデリックな何かであり、かつそれがトランスでないとすれば、残るはサイケデリックアンビエントです。しかしVini Viciはどう考えてもアンビエントではありません。サイケデリックハウスでもサイケデリックロックでもない。
こうして考えていくと、Vini Viciは結局サイケではないという結論に至るのです。
Vini Viciの「サイケ性」について
ここである疑問が生じます。私も含め多くの人が「Vini Viciはサイケではない」と主張しています。ならばなぜVini Viciはサイケと呼ばれているのか?これを説明するために、今回はEDMの流れのなかでVini Viciを位置付けようと思います。
私の感覚としては、EDMのブームの発端は2012年頃と記憶しています。Martin Garrixがデビューし、AfrojackやSwedish House Mafia, Nicky RomeroがEDMの最前線で人気を評していた頃です。
しかし最近のEDMシーンではこれらの名はあまり見かけなくなりました。ダブステップやハードスタイル、ハウスやトラップなどの方面でアーティストたちが次々と現れ、初期のアーティストらがなんとなく定義したEDMの幅がぐんと拡張されたように感じます。
ある意味、ハウスやトラップはEDMにとっての添加物です。そしてVini Viciもまた同じ扱いだと思います。EDMのアーティストたちは、自らのEDMの探求の正統性を対外的に説明する必要がありました。従ってVini Viciを取り入れる際に、Vini Viciの音楽スタイルの名前が必要だったわけです。
Vini ViciのエイリアスとしてSesto Sentoがありますが、これはサイトランスと言ってよいものです。そこからVini Vini=サイケ、という解釈が始まったのではないかと私は考えます。
サイケへの「向き」が違う
EDM側から見たサイケとは「Vini Viciに代表される音楽スタイルの総称」です。サイトランスに慣れ親しんでいる我々とは考える向きが違います。
我々は豊富な試聴経験からサイトランスの定義を先に持っていて、その定義にVini Viciが合うか合わないかと議論します。それに対し、今の世代の人たちにとってはVini Viciがサイケの定義そのものであり、「Vini Vici的なもの」をサイケと認定するでしょう。
私自身はどうかと言えば、サイケへの入りはVini Viciで、そこから色々と掘り下げて今に至ります。Vini Viciが特異な存在だとことに気づくと同時に、サイトランスの定義がVini Viciから拡張されていったように感じます。なので私は2つの定義の中間的な感覚を持つ存在だと自覚しています。
ではVini Viciをどう位置付けるか
改めてVini Viciを聴くとサイトランスやゴアトランスに通じる要素も数多くあることが分かります。サイケ好きを増やしたい私に言わせれば、サイトランスやゴアトランスを好きになるための入り口としてVini Viciは申し分ないと思います。
一方で、Vini Viciの音楽スタイルは断片的かつ直線的で、短い間隔でドロップを繰り返すEDMとの相性も優れていると言えます。その点両面的なスタイルであることは間違いないと思います。
ですがやはり最初に書いた「トランスではない」という感覚も確かです。Vini Viciは両面的な性質を持っていますが、どちらかと言えばトランスではない方、EDM的な方に分類される気がします。
なので、Vini Viciのスタイルのことを「サイケデリックEDM」と呼ぶのがやはり相応しいように感じます。やはり、と書いているのは、私より先にこれを考えた方がいたからです。
viniviciみたいな今のサイケデリックと呼ばれる曲は、「PsyEDM(サイディーエム)」と自分の中で呼ぼうε/С´・ω)
— もこもこあざらし@4/7 TFJお花見 (@dj_azzalashi) April 10, 2017
また、最近ではEDM方面で「Psystyle」という名称も出てきています。Psystyleは「サイケ様式の何か」という意味ですから、やはりVini ViciをEDMの一様式と認定しているようなかたちです。
最後に
端的にまとめようと思います。
- Vini Viciはサイトランスではないように思えるが、それは考える向きの問題でもある。サイトランスの定義が先行するか、Vini Viciが先行するか、という違いだ。どちらかが正しくどちらかが間違っているということではない。
- Vini Viciは、サイケ的な要素も感じられるし、EDMとの相性も良いという両面性がある。ただトランス的かと言われるとやはり違う気がするので、EDM寄りの分類になると考える。
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