Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

ゴアトランスエネルギーのアンフォラ【Man With No Name】

はいどうもPsykeです。今回は大物、Man With No Nameについて書いていきます!

 

Man With No Nameについて

Man With No NameことMartin Freelandはイギリスのゴアトランスアーティスト。1994年にはシングル「Teleport」でイギリスのチャートにランクイン*1するほどの人気を獲得した超大物アーティストです。The Infinity Projectのメンバーとしても知られていますね。

彼の作品の特徴は、リズムとメロディーを一致させてドライだけど粘着質な音を作り出す*2点です。横揺れよりも縦揺れを重視していて、彼の作品にはどれも強烈なエネルギーが封緘されています*3。全体的にはアップリフティングな雰囲気でありながら、どこかメランコリーも感じさせるメロディー設計からも目が離せませんね。「ゴアトランスってどんな感じ?」と聞かれたら、とりあえずMan With No Nameをオススメする感じですねもはや。コレクションに追加しておけば必ず時折立ち返って聴きたくなる、そんな作品群になるのではないでしょうか。

 

Man With No Name - Voices

私がTwitterで最初に知ったMan With No Nameの作品です。1994年のConcept In Danceからのリリースです。ゆったりめのBPMからの余裕と自信に満ち溢れた展開にとても惹きつけられたのを覚えています。やはりとても素直な作風と言いましょうか、裏切らないんですよね。その辺りがやはり帰ってきたくなる場所感につながってるのかもしれません。それでもなかなか他のアーティストには真似できない、不思議な魔力がMan With No Nameにはあります。

 

Quietman - The Sleeper(Man With No Name Remix)

Man With No NameはJuno ReactorやBTなど著名アーティストのリミックスも引き受けており、リミックスの名手としても知られています。ここで紹介しているトラックの中ではこれが最もハイエネルギーだと思います。記事冒頭で「ドライだけど粘着質」という風にMan With No Nameを表現しましたが、この表現はこの曲から湧いてきたものですね。1:20過ぎまで一直線に上げてからの変化で、失速させずに一気に粘度を上げてきます。変化をいくつも盛り込んでいるにも関わらず失速しないのは凄いとしか言いようがないです。

 

Man With No Name - Sugar Rush(Refined Mix)

Voicesと同じくConcept In DanceからリリースされたMan With No Nameのアルバム「Moment of Truth」より。ここで紹介している作品の中では最もメロディーが魅力的な作品ではないかと思います。Indoor - Sweet Coming Homeに似た悲しさと幸せを足して平均したような雰囲気。「Sweet」「Sugar」という言葉には、そういう魔力があるのかもしれませんね。

 

Man With No Name - Teleport

テレポートが成功するか失敗するか、不安感を煽るような中継ぎメロディーと、2:30過ぎから現れてサビを飾る爆発的なメロディー。Dekel、Sabretoothなど相当な数のアーティストがリミックスを手がけている作品なので、ゴア・サイケのファンであれば一度は聞いたことのあるメロディーではないかと思います。原典はこれですよ!という意味で、最後はやっぱりこれで締めたいですね。

 

ということでMan With No Nameを紹介しました。2003年のInterstate Highway以降アルバムは出していないようですが、アルバムを出すかもーという話*4もあるので、今後の動きにも注目しておきたいところです!

 

*1:https://trancentral.tv/2017/08/man-with-no-name-10-essential-tracks/

*2:これは私が提唱しているマグネティックサイケ(リンク後述)に通じるところがあり、Man With No Nameは時代を先取りしていたようにも思えるし、マグネティックサイケもMan With No Nameのゴアらしさに依拠しているように思える。https://psytrance101.hatenablog.com/entry/magnetic-psytrance-proposal

*3:ゴアトランスの古典であり、かつエネルギーの”保管能力”に長けていることから、アンフォラと喩えた。

*4:2019年秋にアルバム「Act of Faith」を出すという情報があったが現時点ではリリースされていない{https://www.facebook.com/events/the-volks-nightclub/twisted-frequencies-pres-man-with-no-name-headworks-more/891047904592051/}。去年10月にはMWNN自身がFacebookでプレビューを発表しているが、リリース日は断言できないとコメントに書いている{https://www.facebook.com/294870914266521/videos/764153570811938/}