Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

情景豊かな船旅へようこそ。【Koan】

どうも、Psykeです。

サイケデリック音楽のサブジャンルの中に、サイケデリックアンビエント(サイビエント)と呼ばれるジャンルがあります。フルオンサイケのようなバリバリ盛り上がる系のサウンドではなく、ゆったりとした、リラクシングな曲を作るアーティストが数多く活躍しています。今回紹介するKoanも、その大御所の一人です。

 

Koanとは?

Koan(コアン)は1993年から活動しているロシア出身の二人組アーティストユニット。サイビエントを中心に作曲活動を展開しています。KOAN Soundとは違うグループです。

Koanのサイビエントの特徴は、大胆な通奏低音を用いた深さのある空間構成力。通奏的な低音の上に動き回るメロディーを載せ、粘性の高い液体のような空間を作り出すのが得意です。

ともかく、聞いてみてください!!

 

Koan - Night Flight On A Sea Dragon(Green Mix)

これはもう、誰が聞いても美しい曲だと思います。海竜の背中に乗って、月明かりが煌びやかに差し込む大海原を旅する。普通に曲を聴いているだけでそんな情景が色鮮やかに喚起されます。

この曲のタイトルにGreen Mixとありますが、Koanは過去の作品を新アルバムに合わせて作曲し直すなんてこともしています。そうした創作行為も含め、非常に多作なアーティストユニットです。

youtu.be

 

Koan - SlowMo(Placidity Mix)

Koanがアルバムで好んで使うテーマの1つに霧があります。その中でもこのSlowMoは、格別に霧の中の雰囲気と情景描写が素晴らしいです。

朝、ちょっと散歩に出かける。周囲を霧に囲まれる。いつもの道が全く違う道に見える。一歩一歩が新鮮で、ちょっと怖い。今日はちょっとゆっくり歩こうか。そんなスローモーションの情景が浮かんできます。

 

Koan - After The Guiding Venus

「女神に導かれて」というタイトル。人間、生きていると、何かしらに縋りたくなることもあると思います。そして同時に、問題を自力で解決できないことに対して無力感を感じます。それでも何かに縋ってしまう。この曲を聴いていると、そんな病的な美しさを湛えた女神があなたの前に立ち現れます

 

Koan - Matariki

一番最初に紹介したNight Flight on a Sea Dragonに似た雰囲気の作品ですが、一味違う美しさ。Night Flightでは圧倒的なメロディーが使われていますが、Matarikiではメロディーが細かく分割・再構成され、うねるように有機的に曲が展開されていきます。キックや低音も控えめで、優しい夢を見ているようなふんわりとした雰囲気が特徴です。

Matarikiはマサイ族の言葉で「すばる(プレアデス星団)」を意味するそうです。

 

Koan - Aia's Tears

豊かなギターメロディーによる滑らかでメランコリックなダウンテンポ作品です。何と言っても3:10での変調が素晴らしい。ここで一瞬、曲を少しポジティブな方向に進めると見せかけて、逆に悲壮感を増やしていく。脱出口をチラつかせて封じ込める、逃げ場のないメランコリーを体現しています。

 

Koanのサイビエント作品は特に情景力が高く、彼らが有名たる所以になっています。

 

Koanによるアルバム

psytrance101.hatenablog.com

 

サイビエント作品

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