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顕微鏡下に広がる小宇宙【Son Kite - Prisma】

どうも、Psykeです。ハマる人はどっぷりハマる…そんなアーティストはどのジャンルにもいると思います。今回はトランス界隈におけるそんな北欧のアーティストのアルバムを紹介します。

 

Son Kite - Prismaについて

2004年にリリースされたアルバム「Colours」から10年の時を経てリリースされたSon Kiteの4thアルバムです。Marcus HenrikssonとSebastian Mullaertの二人からなるSon Kiteスウェーデンのユニット。別名義Minilogueでも活動しており、Son Kiteはトランス寄り、Minilogueはテクノ寄りと言われています*1。ただ個人的な印象としてはあまりその二つの間に違いはないと考えています。

アルバム「Prisma」の特徴は、ゆったりとした展開から立ち上がる精緻で有機的な風景です。曲は最も短いものでも8分、長いものでは14分以上あり、トランスマニアとしては大喜びの充実したトラックが詰まっています。視界の解像度が上がっていくような表現、視界の中を微生物たちが行き来していくような表現など、統一されたコンセプトの中で幅広い表現が実験されています。

早速おすすめの曲に入っていきます。

 

Son Kite - Chihiro 61298

滑らかな展開がSon Kiteの特徴ですが、この曲ではキックまでもが少しずつ音量・音圧を増しながら登場してきます。もともと意識下に存在していたものが徐々に表面に浮かび上がってくるような質感。持ち味の滑らかさに加え、予測不可能な有機的な変化、精緻な音のレイヤリングなどのシナジーによって、神秘的な魅力を湛えた作品に仕上がっています。顕微鏡の視野の中に色々な生き物が現れそして去っていく、そんな光景が目に浮かびます。

 

Son Kite - Transition

Chihiro 61298は、もともとそこにあったものが目が慣れてくることによって見えてくる印象を与える作品なのに対し、こちらの作品は顕微鏡下に晒されて止まっていたものが少しずつ動き出していくような印象を与えます。Transitionという言葉には相転移という意味もありますが、固まっていたものが融けるようなイメージ、丸まっていたダンゴムシが体を起こして少しずつ動き出す、そんなイメージを醸し出しています。

 

Son Kite - Eye See You

序盤からキックが備え付けられ、Florian MSKやMVMBを連想させる硬くて寒冷な雰囲気の中から曲が立ち上がっていきます。他の二曲は有機物や生命体を連想させる動きが特徴的でしたが、それはおそらく中音域が充実していたからでしょう。この作品のメロディーは高音が主体で構成されており、光を連想させます。ホタルなどの発光生物が作り出すリズミカルで規則的な音の波が現れます。

 

 

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