早い段階で出会えてよかった作品たち10選
どうも、Psykeです。
ジャンルのどの作品に最初に出会うかは、とても重要だと思っています。最初の段階で聞く作品群が他の作品への好感度を量る際の基準になるからです。今回は、私が最初の段階でその存在を知った作品、他の作品と比較する時の基準となっている作品を紹介します。
- Kyoto - Sundance
- Koan - After the Guiding Venus
- Trilithon - Synrise
- Ranji - Power of Acid
- Protonica - Planet Gaia
- Sensient - Gorlitzer
- Klipsun - Rage
- Blue Planet Corporation - Alidade
- Loud - Africa 101
- Static Movement - Sol
Kyoto - Sundance
ゴアトランスってこんな感じなのかなーとぼんやりと聴いていたら、実は良い意味で全然違った、という作品です。Kyotoのスタイルはトランス的でありながら強烈なベースラインを用いることはほとんどない特異なものです。でもこの作品を気に入ったことで低音の有無に関わらずゴアトランスやサイビエントを好きになることができたと思っています。
Koan - After the Guiding Venus
Kyotoと同じく、ジャンルを率いるというよりは独自のスタイルを構築しているアーティスト、Koan。「女神に導かれて」というタイトル。人間、生きていると、何かしらに縋りたくなること、問題を自力で解決できないことに対して無力感を感じます。それでも何かに縋ってしまう。この曲を聴くと、そんな病的な美しさを湛えた女神があなたの前に立ち現れます。
Trilithon - Synrise
私はゴアトランスに期待できるエネルギーのイメージをここに見出しました。1991年リリースのTrilithon。日の出の直前の瞬間を連想させる幻想的な雰囲気の中から、メロディーとベースラインが強制的に起動させられてきます。そこに強烈なキックが添加され、エネルギッシュなオーラが徐々に現れてきます。日の出を意味するSunriseをもじったタイトルと曲の雰囲気の合致も抜群。一日の始めに聞いて、テンションを上げるのに使いたい一曲。
Ranji - Power of Acid
Ranjiのこの曲は私にとってはプログレッシブサイケにおける東大の合格ラインみたいな曲です。滑らかな展開、一切無駄を感じさせない洗練美とボーカル術、確実にアゲてくる構築力。低音の奥行き感で苦戦するアーティストは多いですが、この曲はその制御にも成功しています。これに匹敵する、あるいはこれを超える曲でないと買えなくなる。そういう曲です。
Protonica - Planet Gaia
私が知っている中で最も繊細で上品なサイケ作品の１つです。音数の少なさ、それでもってこの進行力を発揮しているプログレッシブサイケはレア。本当に驚かされます。洗練美という概念がサイケデリックトランスでも存在するんだな、という気づきを与えてくれた、私にとっては記念碑的なProtonicaの曲です。
Sensient - Gorlitzer
何とも美しい、完璧で比類なきサイケデリックトランスです。グネグネ感やノイズが一切無い、清潔感あふれる作品。フルオンの中にこれを見つけた時の衝撃は名状しがたいです。膨らみを持った豊かな低音、技巧的で繊細な上層音、そしてギターによる丁寧な装飾。Sensientならではの洗練された雰囲気を保ちながら、ベースラインの左右へのパンを効かせ、その間を縫うようにメロディーが織り込まれていきます。
Klipsun - Rage
詩をサンプリングして曲に織り込み、マイクロエディットと呼ばれる多彩な変化で魅せるアーティストKlipsun。グリッチ・テクノなど様々なジャンルを取り入れ、無数の変化を曲の中に織り込みます。序盤からの表現豊かで圧倒的な緊張感に圧されます。いわゆるトランスとは少し異なるかもしれませんが、表現力の豊かさは抜群です。
Blue Planet Corporation - Alidade
最初はどのようなリズムで構成されているのかがはっきりとしませんが、メロディーや効果音が乗せられていくにつれて、徐々にリズムと展開が明らかになってくる、ミステリアスであると同時に精密な設計を感じさせる優れた作品です。メランコリーというよりは宇宙性を意識したスタイルもBlue Planet Corporationという名前ならではです。
Loud - Africa 101
アフリカ・オーストラリアなどの原始的な生活や世界観をテーマにデザインされたアルバム「5 Billion Stars」の曲。基本のベースラインに一切囚われないLOUDというグループの音・リズムセンスが最大限に発揮されています。特徴的なのは、見事にキックとずらされて配置されたボーカルやシンバル。一度聞いたら脳から離れない、強烈な酩酊感覚を湛えた作品です。
Static Movement - Sol
女性のボーカルと笛の音が美しく収められており、曲展開も一切滞りを感じさせない、素晴らしい曲です。アルペジオ設計力も存分に発揮されています。私が一番最初に買ったStatic Movement作品。普通の曲だと買うかどうか1ヶ月くらい悩まされるのですが、一目惚れというのは恐ろしいですね。
コロナウイルスでこういう状況ですから、新しい音楽を掘ってみるのもいいかもしれません。サイケデリックトランス、サイビエント、ゴアトランスに興味を持ったら、ぜひこのあたりの作品から聞いてみてください！
