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サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

【2022年版】サイケデリックトランス・ゴアトランストラック20選!

どうもPsykeです。早速ですが年末滑り込みということで、2022年の個人的ベストトラックtop20をレビューしていこうと思います。この記事のアルバム編、個人的ベストアルバムtop10は新年に更新とさせてください。。

 

20. PBRM - Forgive Us For We Have Sinned

序盤から低音を導入するタイプの曲です。展開はシンプルな足し算によりますが、無理にアゲすぎない姿勢や盛り込みすぎないような注意深さゆえに、心地よく安心して聴けるサイケデリックトランスが出来上がっています。注目したことのないアーティストでしたがこれからは要ウォッチです。

 

19. ATIA - Resonating Glass

Stereo Societyに現れた新星です。男女各1名からなるこのユニットはマグネティックな作風といえどサイケ性の強いModusやSkizologicとはやや異なり、どちらかというとOn3に近いテクノ的な色味が特徴的です。流行りとしてもややそちらに向かっている気がするので、大物になるかもしれないと期待しています。

 

18. Soul Shine - Emotions

別の記事で詳細を書く予定ですが、2022年はボーカルとポップなメロディ、時にミュージックヴィデオを和えたプログレが大幅に増えた一年だったと言えるでしょう。数多く生まれた作品の中でもこのトラックが最もサイケ的な音質とボーカルを有機的に組み合わせた作品だったと思います。ただこの場合MVがプラスに働いたのかどうか。。

 

17. Magik - Jada Jungle

Nanoがちょっと進化してきているかも?という気を起こさせる新鮮な作品が年の瀬に滑り込んできました。ベースラインや効果音の設計は至ってシンプルで特徴が何なのか名状し難いです。標準的であることを極めたような作品、と書いてしまうと悪口のようですが、この曲は教科書が無い中で教科書を定義しているような、そんな印象を受けました。

 

16. Domateck - Bubbles

本年のベストトラックと似たプログレ作品です。プログレというと上層の音がキックに忠実にリズムを刻むのが一般的ですが、この作品ではその原則をやや無視していて、それゆえに上下の音のズレを楽しむことができます。これ発展させるとこれまでにない酩酊感が出せそうですよね。

 

15. Ketrin Tokyo - Mantra

Blue Tunes Recordsの分派Red Tunesから不思議な作品が出てきました。冒頭からベースラインを鳴らすスタイルはサイケでは決して珍しくはないですが、ダウンテンポ作品でそれをやる例というものを、私はこの曲以外に知りません。スタイルの斬新さで今年は15位にランクインです。

 

14. Stayos - Mind Run Wild

私がここ数年毎年上位にランクインさせてきたStayosの新作ですが、今年は他が優れていたため14位止まりです。曲の展開はIONO Musicの典型的なもので、最後にメロディックに仕上げていく流れはStayosの持ち味そのものです。

 

13. InnerZone - Festival

古参のゴアトランスアーティストInnerZoneによる新作です。InnerZoneはメロディー性が強くかつローリングベースラインもよく使うのでネオゴア的感性との親和性は高いと言えるでしょう。一方で展開の緩やかさやメロディーの浮遊感、SH101的な音への執着はオールドスクールそのものです。同じ系統の新作は今年も複数ありましたが今年はこれが一番でした。

 

12. Antinomy - Signs of Light

過去のシングルやEPでも才能の片鱗を放っていたAntinomyのフルアルバムにも収録された一曲です。展開や構成は14位のStayos作品とほぼ同じで王道という感じですが、5分過ぎの効果音による変化のセンスが洗練されていてこちらの方が一枚上手だなと感じました。

 

11. Indoor - Truth Serum

伝説的なゴアトランスユニットIndoorの2人が再度組んで作り上げたプログレッシブ作品です。音圧の高い低音を基軸にセンスとしか言いようのない効果音を加えて見事に潮流を読んだ作風を投入したと思います。と言いつつも迎合しすぎていない、OforiaとSpace Catの各々の良さが消え去っていないところが魅力ですね。

 

10. Tristan - Sudden Realisation

こう書くと怒られそうですがNano Recordsの作品はやや画一的です。ただTristanに関してはSmall Paper Squaresという作品が印象に残っていてこのアルバムもしっかり通して聞きました。プログレが趨勢のように感じられる中でどこか安心感のある安定感のある展開と経験に裏付けられた音響力に拍手です。

 

9. Shanti V Deedrah - Hangover

早い段階からプログレッシブ的なスタイルを採用したShanti V Deedrahの実験的な一作。Vini Viciにも通じるポップな音使いが印象的ですが、その裏には確かな音響制御技術があることがよく分かります。2022年はHOMmegaが勢い付いた一年だったと思いますが、それを確かなものと証明する一曲でした。

 

8. SOME1 - Eye of Perception

Some1は2019年に生まれたMindwaveエイリアスで、Mindwave名義の作品よりプログレッシブな、特にマグネティックな作風を追求しています。Some1名義の作品では今のところこのトラックが一番だと思います。特に4:10過ぎのボーカルを経てからのアルペジオによる再展開はセンスの炸裂です。

 

7. Braindrop - Metallic Invariance

ディープなミニマルサイケの名手Braindropによる新作です。Millivoltにも通じるリズム構築力と安定したビルドアップによって、音数や変化の多さに頼りすぎない上品なゼノネスクサイケを実現しています。絶妙に切り取られた音はまるで森の中を飛び交う小さな生き物たちを表現しているかのような生命力がありますね。

 

6. Vini Vici - Rapture

最近は一時期ほどの名声を博していないVini Viciですが、音楽的な才能としてはやはり紛れもなく格別であることを確認できる一曲です。このトラックはNadia Ali - Raptureというユーロトランス界隈では有名な曲のリミックスですが、それをサイケ的に昇華させても全く不自然でないのは才能としか評しようがありません。音の遠近感の設計力がやはり格別に上手いんです。

 

5. Captain Pastek - Don et Etrait

Zenon Recordsに現れた新アーティストです。SensientやDr. Strangefunkに似た要所を抑えるメロディー力、マグネティックサイケ的な感性に基づき鋭く容赦無くデザインされた低音、Shadow FXやTetramethに通ずる洗練された効果音挿入感覚。これらの多彩な性質が編み出す新しいゼノネスクには聴き入ってしまうものがありました。

 

4. Wonder & ShaLev - Aswadia

スタイルはプログレでありながらどこかクラシックなサイケに通じる作品です。でも日本のサイケと比べてやはり音に柔らかさがありますね。サビっぽい決めのフレーズが無いのも特徴的。アナログシンセの伸びや響きも豊かに盛り込まれていて、もっとこういう作品があってもいいよなと思わされました。

 

3. Rephaze Project - Cosmic Dream

Unreleased Goa Recordsからのリリース。クラシックなゴアトランスの野性を秘めつつ現代的な音響で音の変化に適度に振れ幅を与えながら直線的に展開します。曲の中盤からはThe Muses Rapt - Spiritual HealingやFuture Prophecy - Mayaにも通じる泣きメロの着色を加えて一気にエモーショナルな雰囲気に変化させます。エモいの一言に尽きますね。

 

2. Morioun - Jack The Dipper

Dharmarに現れた面白いアーティストです。特にこのトラック、低音の存在感はプログレや00年代フルオンのようでありながら、メロディーに用いる尾を引くSH101のようなシンセはネオゴアトランスのそれで、私が聴いたことのない組み合わせでした。アルバムとしてみると、各トラックに物語性と展開の面白さがあり、The Misted Muppetに通じる才を感じます。

 

1. Symbolic - Sacred Space

マグネティックサイケの最高峰と言えるクオリティーだと思ったので本年の一位はこれですね。効果音と低音のシンプルな組み合わせで魅せる前半、メロディーを導入する後半とで異なるテクスチャを演出していてこれぞ新たなるスタンダードという感じです。Symbolicからこれが出てくるとは正直予想していませんでしたが、そのサプライズ性も含めて今年はこのトラックが持っていった感じです。

 

別の記事でより掘り下げるつもりですが、2022年は、ボーカルとポップなメロディ、時にミュージックヴィデオを和えたプログレが大幅に増えた一年であると同時に、HOMmegaやNanoが活気付いた一年だったと思います。来年あたり、AstrixやAce Venturaあたりの大物がそろそろ新作を出してくれると面白いですね。

最後に、寒い日が続きますが、みなさん良い年末年始をお過ごしください。来年も良いサイケに巡り会えますように。

 

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