Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

【2021年版】サイケデリックトランス・ゴアトランストラック20選!

2021年リリースの新作から、トップ20のトラックを選び抜きました。最後に一番を紹介するかたちで、20位から順番に紹介していきます!

 

20.Krama - Till the Sun Turns Black

SpinTwistでプログレッシブをリリースしているKramaの新作です。序盤ではAlter Natureに似た優しげな雰囲気かと思わせておきながら、終盤はお得意の劇的なメロディーを投入して一気にクライマックスまで持っていってくれます。欲を言えばもう3分くらい延長して再展開してほしかったですね。

 

19.Audiospazm - Infinite

以前の最新曲紹介の時の印象は生真面目なゼノネスクサイケだったのですが、このアルバムではWeapon Recordsのブランドに合わせたのか、有機的な感触を盛り込んできました。ベースラインやメロディーには今までの作品にはない浮遊感があり、アルバムとしても投資する価値のある一枚と呼ぶにふさわしいです。

 

18.Derotonin - Thirsty and Ignoring it

ゼノネスク系のレーベルとして知られるSentimony Recordsからの作品。特に曲の後半で発揮されるTetramethに通じる真似しづらい臭さのあるリズム感、Ryanosaurusに似たペタペタした触感が融合したスタイルが面白いです。

 

17.Egon’s Embrace - I Solve Them All Said the Snake

Egon’s Embraceの作品のタイトルは何か深い意味が込められていそうな長いものが多く、背後に充実した世界観を感じさせます。SangomaやParvatiは比較的音が浅めのダークサイケレーベルではありますが、Egon’s Embraceの作品は明らかに周囲とは違う深度を感じさせます。どんどん突っ走って欲しい。

 

16.Northwind - Transformation

イントロの繊細なアルペジオの掴みが素晴らしいです。その後に現れてくる強烈なベースラインとこのメロディーの相性が少し心配になりますが、メロディーを解体して多様なリズムの中に要素要素の音をしっかりと細かに編み込んでいて、聴きがいのある作品にまとまっています。

 

15.Hardy Veles - Long March

点的に配置されたメロディーとベースラインが幾重にも折り重なり、ミドル系プログレならではの連続性を演出します。Lost ShamanやSolanoに似た安定感があり、BGMとして流しておきたいようなスムーズさが心地よい一作です。

 

14.Species - Ad Astra

Speciesは定常的なベースラインとランダムな効果音とでコントラストを持たせたスタイルが特徴的なアーティストです。その歳差で踊らされる感じでしょうか。アルバム「Complexity Moving to Simplicity」が好きで、その頃から基本的なスタイルを変えずに徹しているあたり、好感を抱いてしまいますね。

 

13.Headroom - 16bit Masterchef

Headroomという名前、すごく印象に残りますよね。作品としてはX-Noizeと組んだもの*1などを記憶しているのですが、Headroomといえばこれ!という作品がなかったのが正直なところです。オフビート感とマグネティック感を組み合わせた立体的な音づかい、いいですね。インパクトあります。

 

12.Ilai & Simon Patterson - Overture

この二人らしいまっすぐなスタイルです。サイケを聞きまくっている中で優れたものを選ぼうとすると変化球が目立つ傾向にありますが、その中でも突き抜けた王道という感じでしょうか。ミドル系のスピード感とフルオンらしい高揚感がバランスよく混ざっていて、安心する一作になっています。

 

11.Irukanji & Eleexr - Hey Mondgreen

再びSentimony Recordsからの作品です。インパクトのあるジャケットですね。リズム感はシンプルでありながら鋭く効果的。5:00過ぎのブレイクで一度分解した後に徐々に新しいリズムを出現させていく展開力も見事ですし、随所に張り巡らされた音響技巧も見所です。

 

10.Raziel - Goafrica

日本が世界に誇るレーベルMatsuriからのリリースですね。ベースに力がある作品が多くて信頼できます。フルオン的なメロディーを用いている一方で、曲の連続的な変化と定常性のバランスはむしろネオゴアトランスを連想させます。後半ではちゃっかりトリプレットを混ぜ込んでいたりと、色々な楽しみ方ができます。

 

9.Reaky Reakson - Interstellar Intercourse

Stereo Societyはマグネティックなプログレを多くリリースしているので、このような作品はいい意味で期待はずれでした。序盤から一気に軌道に乗って飛ばしていく作品です。先に紹介したRaziel - Goafricaと似て、メロディー性はゴア的でありながら、展開や低音設計はサイケ的。両色がバランスよく混ざった作品と言えるでしょう。

 

8.Retronic - Revival

IONOのスタンダートな作品という感じがします。しっかりとしたベースラインと適度なメロディー性をバランスさせていて、どこか初期のStatic Movementを連想させるところがあり、ノスタルジアを感じます。曲のあちこちで異なるテキスチャーが出てきますが、綺麗にまとまってますよね。

 

7.Skarma - Sunspire

Skarmaといえばシンプルで直線的な曲展開のモーニング色の強いオールドスクールゴアトランスの印象が強いですが、この作品はまさにそれが凝縮されている印象を受けます。低音があまり強くないことによって生まれる滑らかさ、コレですね。強くおすすめしたい作品の特徴にも合致する部分があって、引き込まれました。

 

6.Dogma - Land of Utopia

イントロで引き込まれた作品ですね。序盤や中盤の和音メロディーは私のオールドスクールゴア感性をくすぐってきましたし、縦揺れと横揺れが混在した、オールドスクールゴアならではのリズム感もよく映えます。1997年のゴアトランス黄金期、台湾でリリース*2という珍しい生い立ちの作品です。ただこのアーティストは知らなかったので、まだまだ勉強が必要だなと。

 

5.Stayos - Red Alert

Stayosプログレッシブサイケでは抜群のうまさを誇るアーティストで、堅実なオフビートからマグネティックなスタイルまで多様な作品を多くリリースしていますが、特筆すべきはボーカルエディットによる”決定力”ですね。必ずと言っていいほど曲のどこかに決めにきている箇所があります。

 

4.Quantum - Countdown

立体感と回転力のあるベースライン、ループするように配置された効果音など、異様にレベルの高い作品になっています。注目したいのはマグネティックでありながらもブレイクで魅せる感じではないという点ですね*3。このスタイルが新しい時代のフルオンなのでは?という感じがしてきました。

 

3.Red Sun Rising - Mrs Psycho

2分過ぎから始まる中途半端に浮いているような微妙なメロディーラインが特徴的。これは微妙かなーと思わせるのですが、その後の展開の中になぜかそのメロディーが有機的に織り込まれていき、壮大なエンディングへと展開していきます。そんなんありかと、一泡吹かされました。

 

2.Anoma Integrity - Never

初見のアーティストだったのですが、とても気に入りました。堅いダークフォレストサイケではありますが、ギチギチに捻りすぎないバランス感覚や、ハイテク的な音の中に確かに存在するフォレスト的な有機性に惹かれます。今まではフォレストサイケといえばPetran一択だったのですが、もう少し幅を広げて調べていかないとな。。

 

1.Dekel - Raindrop (Shadow FX Remix)

Shadow FXはPermutationsのコンピに入っていたBack in the Grooveという曲が気に入っていたアーティストです。Sensientにも似た特徴的なノイズ効果音挿入術の持ち主で、この新曲でもそれが引き継がれていますが、Dekelを解釈したためか、この曲はいつもの曲よりもサイケ性、特にマグネティック性が強く出ている気がします。好きなアーティストを好きなアーティストがリミックス、しかも上手いってのは、至福ですね。

 

というわけで、2021年のトップ20を紹介しました。毎回書いていますが、こう振り返ってみると、やはりまだまだサイケも進化していくんだなという印象を受けます。2020、2021年は、ゴアトランス懐古的な流れとプログレの拡張が見られました。2022年はどうなっていくのか?しっかり追跡していきたいです。

 

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