サイケデリックトランスの歴史はゴアトランスまで遡るとすでに40年分あります。長い年月をかけてサイケは進化し続けてきました。
そのムーブメントの当事者として、私なりに最新の流行を分析してみようと思います。
他ジャンルによる吸収
重低音を重視するダンスミュージックが、サイトランスを消化しにかかっています。
例えば、Heatbeat、Jordan Suckleyらが率いるテックトランス。破壊力のある低音と爆発力のあるトランスメロディーを合わせたこのジャンルは、サイトランスの吸収に成功しています。ASOTを中心としたトランス界隈でも最新の流行となっています。
また、アシッド系の低音で大胆に押し切るハードスタイルも、サイトランスを吸収していく兆候が見られます。最新の例だと、WildstylezがVini Viciらによる曲のリミックスを手掛けていますね。
曲構成の断片化
聴衆が酔いしれる本当の意味でのトランスというよりは、聞き手を飽きさせない細やかな展開が重視されるようになっています。この点は最新のEDMと連動していますね。
おそらく最も良い例は、南米を中心に流行しているFuture Progというサイトランス。その代表格であるMandragoraは、圧倒的な作曲速度と奇想天外な展開力を誇ります。
FutureProgについてはこちら!
高度技巧化
構成の断片化と共通する部分がありますが、こちらは音そのものを断片化してしまおうという動きです。
技巧的なサイトランスといえば、ゼノネスクサイトランスです。その主体レーベルであるZenon Recordsが、最近成長しています。
つい最近、有名アーティストFreedom Fightersがこのレーベルから初めてコンピレーションをリリースしました。
また、有望な新人Klipsunも登場しています。彼らについては、特集記事をぜひご覧ください!
サイトランスの長い歴史を読み込むのはとてつもなく大変です。最新の流行もいつかは歴史になる。そんなことを考えながら書いてみました!