Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

自然エネルギーを閉じ込めた缶詰【Celestial Intelligence - Incandescent】

どうもPsykeです。久しぶりにブログ更新します。今回は2019年にリリースされたCelestial Intelligenceのアルバムを紹介します。

前作のジャケットが強烈な色合いの抽象的なデザインであったのに対して、本作のジャケットは青や緑を基調とした具象的なデザインで、その違いがそのまま作品の違いとして現れています。前作は太陽を連想させるエネルギッシュなメロディーとパワフルな低音を用いた曲ばかりだったのに対して、本作では水や風を連想させるより清廉なネオゴアトランスが追求されています。端的にいうとArtifact303に寄せたってことになるのですが、メロディー力に関してはCelestial Intelligenceの方が一枚上手だと私は思ってます。ゆえに本作は私にとってはCelestial Intelligenceへの信頼度が一層アップするきっかけになりました。

ということで、まずは3曲目のDeja Vuからいきましょうか。

イントロはこのアルバムの共通テーマに沿った清涼なメロディーで始動。そこにサイトランス風の存在感のある低音を添加して曲が展開していきます。2分過ぎからの細かいメロディーがとても素敵で、このアルバムの湛える優美なエネルギーを体現しているように思えます。その後のブレイクを経ての低音の再点火も見事。サイケ的になりすぎないネオゴアトランスの絶妙な低音バランスを発見したと言っていいでしょう。

5曲目のOwlは、今までのCelestial Intelligenceでは作れなかったであろう、このアルバムの真骨頂だと思っています。低音はDeja Vu同様の優しいところに落ち着かせていて、曲の中盤まではそれと従来のエネルギッシュな展開を見せます。注目すべきは曲の中盤で導入される、鳥の囀りを引き伸ばしてつなげたようなメロディー。これはこれまでCelestial Intelligenceが用いてこなかった新しい音であり、彼らにとっても発見だったのではないでしょうか。アルバム内の他の曲でも同じような使い方がされていますが、この曲での使われ方が一番象徴的です。

最後のPsychic Transferenceはこのアルバムの一番のお気に入りです。前作のPerpetual Energyでは見られなかった、Artifact303に通じる、キックはしっかりめ・それ以外は少し控えめの低音を用いています。そうすることで上層の音を細かく作り込んでいく余裕ができるのでしょう。それから3分手前での変化、Celestial Intelligence史上一番かっこいいですね。彼らならではの激しさとこのアルバムの清廉さが不思議と両立した傑作です。

ということで、さらなる飛躍を見せてくれたCelestial Intelligenceのアルバムを紹介しました。前作も含め似た作風のアルバムやアーティストの紹介もぜひご覧になってください。 

似た作風のアルバム・アーティスト

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com