Psykelopedia

サイケデリックトランスやゴアトランスの曲やアーティストをおすすめします。

ネオゴアトランスの定義に関する考察

どうもPsykeです。今回はちょっと読み物系を書いてみました。

 

一般的なネオゴアトランスの定義(リリース年)

ネオゴアトランスの定義について考えるとき、おそらく最も参考になるのはSuntrip RecordsのマネージャーであるAnoebisによるこのコラムです。英語ですが貼っておきます。

www.isratrance.com

音質面では現代のゴアトランスと90年代黄金期のオールドスクールゴアトランスとでは逕庭がありますが、メロディーや和音や303的な捩れを重視するという音楽的な特徴は、オールドスクールゴアトランスとネオゴアトランスで共通と言えます。

このジャンル界隈の大きな歴史の流れとして、メロディー重視のゴアトランスから硬派なサイケデリックトランスに移行していく流れがあります。上の記事によれば、過去のゴアトランスの再リリースに留まっていたゴアトランス界隈で、2003年から2004年にかけてゴアトランスの新作が出始めたようです。冒頭で触れたSuntrip Recordsの設立は2004年で、その最初のリリースであるFilteria - Sky Inputがネオゴアトランスの始まりであるという人もいます。すなわち、ネオゴアトランスは新しいゴアトランスである(2004年~)と言えるでしょう。

 

持論ネオゴアトランスの定義(音の性質)

ここからは私の持論です。

ネオゴアトランスは新しい、という定義がありますが、これは必要十分条件ではありません。最近リリースされたゴアトランスであるからといってそれが”新しい”ゴアトランスであるとは限らないと思います。

例えばSuntrip Recordsで2015年リリースのAsia 2001 - Psychedelia、2020年リリースのMFG - Pure Energyなどの作品は、明らかにオールドスクールゴアトランス色が強いです。Celestial Intelligence、Median Project、E-Mantra、Artifact303など同レーベルの他のアーティストとは、共通するところもありますが明らかにスタイルが異なります。

後者に概ね共通する相対的特徴は、1.滑らかなベースライン設計、2.曲展開の連続性、3.縦揺れよりも横揺れ重視という点です*1私はこの性質を持っているゴアトランスをネオゴアトランスと呼ぶことにしています。

 

私が使うネオゴアトランスの定義(折衷)

私の定義では、例えば1998年リリースのDreamweaver - Lord of Illusions、1997年リリースのDimension 5 - Transdimensionalも、ネオゴアトランスという分類が妥当と思われます。

しかしこれだと先に述べた一般的定義による「2004年以降」という条件と干渉します。なので実際は一般的な定義と持論の定義の共通部分をネオゴアトランスと呼ぶことにしています。すなわち、「1.滑らかなベースライン設計、2.曲展開の連続性、3.縦揺れよりも横揺れ重視、という特徴のある2004年以降のゴアトランス」をネオゴアトランスと呼ぶことにしています。

 

と、いうことを踏まえ!近いうちにネオゴアトランスの魅力について語った記事を書こうと思っています。お楽しみに!

 

オススメのネオゴアトランスアルバム

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com

psytrance101.hatenablog.com

 

*1:持論ではこの逆をオールドスクールゴアトランスとしています。すなわち、オールドスクールゴアトランスの相対的特徴はざっくり言って1.強めのキック、2.不連続的な曲展開、3.縦揺れ重視、といった感じではないかと思います