超絶技巧の最先端サイケ【ゼノネスク】
今流行りを見せているサイケデリックトランスは、瞑想音楽としての起源をもつ、ゴア、ダークサイケなどとは性質が異なるものです。ですが、昔のサイケを解釈し、現代風にアレンジしたスタイルもあります。
今回は、ダークサイケの現代版、ゼノネスクサイケを紹介します!
ゼノネスクサイケとは?
このジャンルの曲は、Zenon Recordsというオーストラリアのレーベルから出されています。Zenonらしい音楽、という意味で、Zenonesque。
Zenonの英語発音は「ズィーノン」ですが、Zenonに対応する日本語は「ゼノン」。日本語の一貫性を保つため「ゼノネスク」と作者は読んでいます。
ゼノネスクサイケをあえて呼ぶなら「ミニマル・ダーク・プログレッシブ・サイケデリックトランス」。
- 音の数を少なくし、メロディーは消去。
- 空間性・エフェクト等の技巧に凝る。
- 緊張感のある雰囲気、通奏的な低音が特徴。
- リズム・ビート変化を活用。
が、特徴です。
それでは、ダークサイケを牽引し、ゼノネスクの良さを体現してくれる、オススメの曲・アーティストを紹介します!
Sensient - Gorlitzer
ゼノンのレーベルを2003年に立ち上げた、ゼノネスクの生みの親ともいうべきアーティスト。サイトランス界からの評価も高い大御所です。
ベースラインの左右へのパンを効かせ、その間を縫うようにメロディーが織り込まれていきます。とても美しい。サイケ好きではない人もきっと引きこまれます!
Klipsun - Rage
詩、映画をサンプリングして曲に織り込み、「マイクロエディット」と呼ばれるダブステップ的な多彩な変化で魅せる、新進気鋭のアーティスト。グリッチ・テクノなど様々なジャンルを取り入れ、無数の変化を曲の中に織り込みます。
この曲は、映画「Interstellar」のセリフ、有名な詩人の作品の朗読を引用しています。序盤からの圧倒的な緊張感に圧されます。
Millivolt - Philosofiction
ゼノネスクに進行力を求めるならMillivoltの一択です。低音の存在感も良いですが、何より、空間性のある上層音で進行力を生む才能に長けています。
海のそこから泡が湧いてくるような、広がりのある独特の効果音がMillivoltのトレードマークサウンド。自分は動かない。自分の回りの空間が、丸ごと動かされます。ゼノネスクの圧巻の空間力!
Florian MSK - Dissonances Letargiques
インダストリアルなサウンド、ディープテクノのアーティストを自称するFlorian MSKの人気曲。この曲は、サイケデリックトランスというよりはテクノに近い一曲です。
しかし、金属性の高い音のみで構築される豊かな不協和音が特徴的で、サイケデリックなクセがあります。展開を急がない、余裕の曲構成も魅力的ですね。
他にも、Ryanosaurous、Shadow Fx、Dr. Strangefunkなど、まだまだオススメのアーティストがいます!順次、紹介していこうと思います。
こんなレーベルもあります!